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RUSTY R.

独自の特殊錆出材「R. Chemical」使用。
ただ錆を出しただけではない、生きた錆を纏った耐候性鋼熟錆仕上誕生。

錆を「熟成させる」という、新アプローチ。

錆の美しさ、情緒に惹かれる建築家、デザイナーが増えています。そこで注目されたのが錆びても朽ちない鉄「耐候性鋼」なのですが、初期流出錆はどうしても周囲を汚す課題があり、使用箇所は限定的でした。
しかし、フロントの「RUSTY R.」は弊社独自の技術を有する『R. Chemical』を塗布します。このR. Chemicalがとても優秀で、自然な状態で初期錆を出そうとすると約2ヶ月かかりますが、R. Chemicalを使うと2時間足らずで出すことができます。この技術によって出荷前に熟成させることで初期流出錆を極力最小化。ただ錆を放っておいて出したのではない、フロントだからこそ出来る錆の熟成方法によって、新しい金属仕上表現へと昇華しました。使用箇所も、パネル、サイン、サッシ、土留め等幅広くご利用いただけます。

耐候性鋼熟錆(じゅくせい)仕上

耐候性鋼のミルスケールを除去した後、フロントが開発した特殊な錆出し剤「R. Chemical」を使用し瞬間的に錆びさせます。そこから工場内で熟成させること2ヶ月以上。これが「防錆」ならぬ「熟錆」。この「熟錆」により、流出錆の問題を極力最少化した「RUSTY R.」が完成します。

※初期錆の流出を100%抑えるものではありません。

太陽と雨と風。自然が描くテクスチャー。

R. Chemical塗布後、2ヵ月以上の「熟錆期間」を経て、RUSTY R.は育っていきます。熟錆期間では、錆を育てるために整えた屋外の環境で天日、風雨に晒しながら錆の成長をじっくり待ちます。錆は太陽で生まれ、雨で育ち、風で表情をつくり、そして時間とともに「世界に一つしかないテクスチャー」を耐候性鋼に描いていきます。

自然の力と職人による手仕事のため、このサンプルのように同じ表情が二つと無い仕上がりです。

「生の錆」だから味わえる、経年変化の愉しみ。

酸素と水の助けを借りて、錆は酸化を続けます。最初期の明るいオレンジから赤みを増し茶色が加わっていき、5年、10年という時間の長さでその色に渋さと深みを纏っていきます。もちろんメンテナンスは不要。時を刻み表情を変える建材で、佇まいの経年変化を愉しむ。そんな新しい建築表現が「RUSTY R.」で実現します。

RUSTY R. before/after

桜美林大学 新宿キャンパスに、2019年11月にRUSTY R.を使用したサインが設置されました。
生きた錆をまとったこちらの建材は、経年変化を楽しむことができる素材となっています。設置から2年近く経った桜美林大学の顔といえるサインは、雨や風、太陽にさらされたことで赤みが増した茶色に「熟錆」し、ここでしか味わえない表情をまとっています。
RUSTY R.は表情が常に変化するという美しさを持ちながらも、周囲の汚れの原因となる初期錆を出荷前に熟成させることで極力最小化し、扱いやすい金属です。
錆びても朽ちない耐候性鋼を使った今までにない建材、RUSTY R.の表情変化を是非ご覧ください。

耐候性鋼と錆について。

耐候性鋼は1900年代半ば頃から、橋やコンテナなどを中心に様々な建築物に使用されてきました。耐候性鋼がつくる保護性の錆は、鉄の一番の問題である腐食を防ぎ、さらには経年変化による外観的魅力も愉しむことができます。耐侯性綱とは、そんな独特な個性をもった鋼材です。
しかし、はじめの2年程度は錆がたくさん流れ出てしまいます。そのため、周辺を汚すおそれがあり使用する箇所がどうしても限られていました。そこで開発されたのが「RUSTY R.」です。
独自の特殊錆出し材、R. Chemicalを使用し錆を瞬間的に発生させ、そこからさらに2ヶ月間以上屋外の自然な環境に置いて、錆を熟成・安定化させます。これにより初期に出る流れ錆の最少化を実現し、建材として使用できる箇所を大幅に増やす事が可能となりました。
ただし、初期に出る流れ錆を最少化したとは言え少量の錆は出てしまうため、使用には多少の配慮が必要です。

推奨使用例

土留め

人の手を加えていない、つまり鉄本来の姿であるRUSTY R.は、自然ととても相性がよく、植栽と並ぶことによって、より魅力的な外観へと変化します。また、土留めは下が土である事が多いため、流れ錆が出たとしても目立つことはありません。加えて、経年変化により植栽の変化とともに時の流れを愉しむことができます。

サイン

RUSTY R.は経年変化により色や風合いが変わっていき、とても趣深くなっていきます。施工してから数年という状態でも、その表情はどこか威厳をもった、何十年も前からそこに存在していたかのような雰囲気を醸し出すことができます。この特徴を生かし、博物館や美術館、学校などのサインとして使用してはいかがでしょうか。周辺は流れ錆を目立たなくする土はもちろんですが、敷石や芝生・ウッドチップなどでもまた違った雰囲気を愉しむ事ができます。

RUSTY R. 熟錆過程

錆出し

初日はまず黒皮をはがしました。黒皮とは、耐候性鋼の一番上の表面に付いている皮膜のことで、これを剥がすことで素地の部分がむきだしになり、すぐに錆びようとします。この初めに出る錆のことを初期錆といいます。
※写真は黒皮をはがした後の写真

さらに、ここで弊社独自の技術を有する『R. Chemical』を塗布します。このR. Chemicalがとても優秀で、自然な状態で初期錆を出そうとすると約2ヶ月かかりますが、R. Chemicalを使うと2時間足らずで出すことができます。

写真をみると、徐々に黄色く変化している様子が分かると思います。この急速に錆模様が浮かび上がる様子はとても魅力的で、板1枚1枚の表情には世界に一つしか無い個性が刻まれています。
この日は、R.Chemicalを2度塗布し、最後に乾燥させて終了です。

錆出しから3日後

錆出し当日は明るい黄色のような色をしていましたが、3日後になると橙色や褐色に近い色合いに変化しています。
この日は、大きなベニヤの板にRUSTY R.のサンプルを左写真のように貼り、日当たりの良い場所に保管するという作業を行いました。太陽と雨と風。RUSTY R.の錆の成長には、この3つの要素が欠かせません。そこで今回、写真のようなかたちで保管していくことになりました。

錆出しから3週間後

写真は、錆出しから約3週間たったRUSTY R.の写真です。上段がR. Chemicalを使用していないもの、下段がR. Chemicalにより錆の進行を早めたものになります。R. Chemicalを使用したこと、さらに梅雨の時期で雨が多かったことが重なり、錆の進行も順調に進んでいます。
下段のサンプルを錆出し3日後の写真と比べてみますと、その色の変化は一目瞭然であると思われます。
多少の光の当たり加減に違いはありますが、とても明るい黄色のような色合いであったのが、落ち着いた風合いのある褐色になりました。ベニヤの板が錆汁で汚れている様子も特に見られず、弊社でもオススメしているサインや土留めの使用にとても適しています。

錆出しから2ヶ月後

写真は、錆出しから約2ヶ月たったRUSTY R.の写真です。3週間後の写真と比較すると、下段のR. Chemicalを塗布したものについては、ほとんど変わっていないように見えます。しかし、3週間後のときは表面を触ると手に錆がつきましたが、2ヶ月後のサンプルを触ってもほとんど錆はつかず、かなり錆が安定している状態であることが分かります。
今回は、約270枚あるサンプルのうち50枚ほどを回収し、サンプルとして本社に保管することとなりました。少しでも、RUSTY R.に興味を持って下さる方がいましたら、ぜひ実物を手にとって生の錆の魅力を感じていただきたいと思っております。サンプルの取り寄せや質問等、お気軽にお問い合わせ下さい。

製作ストーリー

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